あなたの街のかかりつけ薬局を目指して
今回は食品含有(混入)成分についての話です。
昨今は「事故米」の食品への不正使用が社会問題になっています。
食用に不適当な米が不適切な使用をされたこと、それを許してしまった監視体制が今のところの問題点ですが、その米汚染物質自体が実は昔から食品業界人が頭を悩ませるものなのです。
メタミドホスは有機リン系殺虫剤でサリンの仲間、「毒入りギョーザ事件」で有名になりましたが、それ以上にカビ毒素である「アフラトキシン」は世界的に有名です。アフラトキシンはアスペルギルス フラバスとアスペルギルス パラシティカスというコウジカビの一種が産生する毒素で16種類ありますが、その中でもアフラトキシンB1はダイオキシンの10倍以上の毒性をもち、天然最強の発ガン物質として知られています。
やっかいなことに、天然物質ですが、調理では分解しきれずに食品の中に残ってしまう特徴もあります。
歴史は比較的古く、1960年のイギリスの七面鳥大量怪死事件の原因は餌の中のアフラトキシンでした。
日常的に1日3~4µg(1µgは1gの100万分の1の量)のアフラトキシンB1を摂取し続けている人々は、そうでない人に比べて肝臓ガンの発生率が明らかに高いことが知られており、一方で小児ガン発生とアフラトキシン摂取との関係も調べられています。
このように危険性の高い毒素ですが、アフラトキシンによる汚染は熱帯から亜熱帯地方から輸入された米、麦、トウモロコシなど穀類で問題になることはわかっており、国内産のものでは汚染は今のところありません。
しかし残念ながら食料自給率の低い日本は、熱帯地方からの輸入食材も少なくないので、アフラトキシンに触れる機会の多い国家の一つです。
その代わりではないですが、規制は厳しく、日本では10ppb(食品1g中1億分の1の量のアフラトキシンB1)を上回る食品は食用から排除されるようになっています。
(続く)