今年は5年に一度の、「日本人の食事摂取基準」が改訂される年です。
これは、健康のためにこの栄養素は最低どのくらいとらないとイケナイとか、逆にこれ以上とったら健康を害するかもしれないとかいったことをタンパク質やビタミン、ミネラルなどそれぞれの栄養素で「適当とする」目標の量を決めているものです。
その中で今回、ミネラルの一つであるヨウ素(ヨード)をとり過ぎないようにという注意のため、上限量が引き下げられました。食べたヨウ素は甲状腺という臓器に取り込まれて、身体を活発に動かしたり、正常な発育にかかわったりする「甲状腺ホルモン」の材料になります。
ヨウ素が足りないと、このホルモンが少なくなって困ることがあります。
人によっては、ヨウ素が多すぎても甲状腺の働きがにぶってこのホルモンが作られにくくなることがあります。(甲状腺腫、甲状腺機能低下症)
ヨウ素はコンブやワカメ、ノリなどの海藻類に多く含まれているため、これらやコンブだしが大好きな日本人はまず不足することにはなりません。
逆に、日本でこれまでヨウ素のとり過ぎがあまり言われてこなかったのは、次のようなことが考えられます。
①海藻類が好きといっても、毎日欠かさず大量に食べる人は限られている。
②ヨウ素が甲状腺に取り込まれるのを制限する「ゴイトロゲン」が含まれた大豆、サツマイモ食品を食べる機会が多い。
①について、便秘解消には水溶性食物繊維の豊富な海藻類は絶好の食品ですが、ダイエットブーム等にのっかって連日大量に食べるというのは控えた方がよいでしょう。
妊婦さんでは特に、胎児の甲状腺の働きに影響を及ぼす可能性がありますから、食べる量はコントロールしておくとよいでしょう。
②について、大豆(しょう油、みそ、豆腐)などの中の成分が、ヨウ素とり過ぎでの悪影響を防いでくれていたというのは、日本の食文化の「妙」でしょう。
今回の目標値の改訂は、ヨウ素に敏感な人や大豆食品などをあまり食べない人でもヨウ素の悪影響がでないように念のためにされています。
食生活があまりにかたよらなければ大丈夫ということです。
一方で「代謝を上げる」とか「発育をよくする」という売り文句のヨウ素入りサプリメントがあります。
これなどはヨウ素とり過ぎのきっかけになるかもしれないので摂取量には十分注意がいります。