お知らせ
R6年能登半島地震 空飛ぶ捜索医療団ARROWSへの医薬品提供
令和6年1月1日に発生した能登半島地震によりお亡くなりになられた方々に哀悼の意を表しますと共に、被災された多くの方々に、心よりお見舞いを申し上げます。
株式会社ケイ・クリエイト代表の金田です。
能登半島地震発災直後から珠洲に入り、活動を続けている”ARROWS”へ弊社から医薬品の提供をしました。
これは、個人的に強い想いのある出来事だったので、少し書こうと思います。
5年前の西日本豪雨の際、岡山県はPeaceWindsJapan(”ARROWS”の運営・構成団体)の皆さんに、たくさんの支援をいただき助けてもらいました。
https://arrows.red/record/nishi-nihon_floods2018/
実はその時に、個人的にも稲葉医師(”ARROWS”プロジェクトリーダー)に助けてもらった深い思い出があります。
私は、支援に来てくださった全国たくさんの医療チームが集まる中で、災害処方箋の運用体制を整備、依頼をする立場にいました。
岡山県の薬剤師の代表として、手探りで作ったルールを初めて説明する緊張の場です。
全国のたくさんの薬剤師仲間から情報をもらって準備した体制だったのですが、もちろん完璧なものではありません。
提供できる医薬品の種類、提供できる時間、災害処方せんの運用ルール・・・多くの医療チームからの質問に一つ一つ答えていました。
質問は想定内のものばかりです。しかし、急場で細かいことは後回しに作成したルールなので、当然ではありますが、「薬はこれしかないのか?」など、ルールの不足点の質問も多く、ちょっと辛くなっていました。
そんな時に隣にいた”ARROWS”の稲葉医師が発言してくださいました。
「せっかくこの体制を作ってくれて、処方箋が出せるんです。」
「今日から始めるのだから、まずはこのルールでやりましょう」
「課題があれば、薬剤師会に要望を伝えて修正していけばいいじゃないですか。それでいいですよね?」
「今日はこのルールで行きませんか!」
この一言で議論は終了し運用が始まりました。
この時の安堵の気持ち、彼の一言に救わたことを私は絶対に忘れません。
(彼は覚えていませんでしたが、笑)
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2023年12月
日本災害医療薬剤師学会(https://saigai-pharma.jp/)のメンバーとして、
“ARROWS”の多機関合同研修に参加させていただきました。
フィールドホスピタルという野外病院を設営し、
発災直後の傷病者を受け入れる想定の訓練でした。
“ARROWS”へ必要な医薬品を供給する団体の一つとして参加し、
彼らの活動に、弊社として関わることができる可能性が見えました。
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今回の能登半島地震
“ARROWS”はいち早く珠洲に入りました。
そして、1月2日の夜に、「医薬品を供給してもらえないか?」
医薬品の依頼が私にありました。
「ここで恩返しができる!」
私たちの薬局の力が”ARROWS”の、そして被災者のためになる。
なんとか協力する!そう決意しました。
“ARROWS”は民間の災害支援組織です。平時の医療機関ではありません。
医薬品の譲渡・販売等には厳密なルールがあり、災害時の特例なども複雑で、簡単ではありません。
さらに、必要医薬品のリストアップ、全国的な医薬品不足を考えた供給可否の検討、代替薬提案、現地まで届ける手段なども検討が必要です。
ヘリで運ぶなら重量データも必要ですし、そもそも運べる大きさにも限界があります。
全てを1月3日に調整し、1月4日には岡山県との協議の上、供給の許可をもらいました。
細かい調整を重ねて、正式に”ARROWS”への医薬品提供が叶ったのです。
これは、自分にとってはとても大きな出来事でした。
今回の地震支援において、”ARROWS”の活躍は多く報道されています。
彼らに救われた方も多くいらっしゃったと思います。
私たちの力は小さいかもしれませんが、その一助となって、一人でも多くの被災者の助けになることを祈りながら、後方支援を続けています。
私たち、株式会社ケイ・クリエイトこやま薬局は、これからも空飛ぶ捜索医療団”ARROWS”を応援します。